皆さん、こんにちは!
『東岡崎 明月』の藤原です!
もう随分と昔の話のようにも感じますが・・・・。
最初の手術の後、親父はかなり混乱状態にありました。
かろうじて僕や家内や孫のことは解るようでしたが、記憶は過去現在混同、話は途中で飛んでしまい、痰が多く自分で処理できないため、いつも苦しそうでした。
夜十時過ぎに携帯が鳴り、あわててでてみると病院からでした。
親父が大声を出し、暴れて収まらない。
息子を呼べと聞かないのだと言う。
まだ営業中ということもあり、その旨伝え、1時から2時くらいにはそちらに伺いますと返答する。
必ず来てくださいと念を押され、厳しい口調で電話を切られた。
できる限り取り急ぎ、1時過ぎに病院に到着。ナースセンターで頭を下げ、担当の方と話す。
落ち着いてはきていますが、私の言うことは聞いてくれません。
病室に急ぎ、親父に声を掛ける。
痰が苦しいのに、ちゃんと採ってくれないのだと僕に訴える。
担当の看護士の話だと、採れた筈なのに、もっと奥まで採ってくれと何度もせがむらしい。
「採れるだけは採ってくれてるみたいだよ。これ以上は管を奥には入れられないんだって。」
不満そうな顔で、縋る様に僕を見る。
「ねえ、看護士さん困らせちゃ駄目だよ。親父は何がして欲しかったの?その行動をとることで、親父の願いは叶い易くなるの?何かして欲しいときは、お願いします。して貰えたら、ありがとう。いつも笑顔でありがとうって言わないと、誰も近付かなくなっちゃうよ。」
鼻からはチューブ、口に酸素マスク。仰向け状態の親父の目から涙がポロポロと落ちる。
「ごめん。あの人に謝っといてくれるか。」
「解ったよ。で、お願いしますと、ありがとうね。」
また親父の目から涙。胸が苦しくなる。
何かあったらまたすぐに呼んで下さい。看護士にもう一度謝り、付け加える。
意識がはっきりと戻ってからも、それから親父が苛立つことは無くなった。
看護士さんとも笑顔で話し、でも時々いないところでは、僕に愚痴ったりもした。
「あの人、何でもすぐに忘れちゃうんだ。」
僕は笑って、親父に応える。そうなの?
孫である僕の娘を連れて行くと、親父は何より喜んだ。
本当は連れて来ないで欲しいと言われていたけれど、迷惑を承知で、細心の注意を払い、僕は我侭を通した。
娘が笑うと、親父は繰り返すのだ。
「ありがとう。ありがとう。笑ってくれた。ありがとう。」
親父はあの夜僕の言った事を守っている。親父のありがとうは、孫にもっと笑って欲しいとせがんでいるのだ。
嬉しさと、心の苦さが混在する僕。親父の純粋さが胸に痛かった。
早いもので、親父が死んでから昨日でひと月。
早いのか?ものすごく長くも感じる。
親父を思い返し、過去に行ったり、未来に行ったり。
意識の時間軸が狂ってしまったみたい。
今でも親父の祭壇の前で、娘と遊ぶ。
娘がコロコロと笑うたびに、親父の声が聞こえてこないか期待している。
今朝、家内に言われた。
「お父さんに戻ってきて欲しい?」
もちろん!と言いたい所だけど、答えはもっと複雑。
また家族に負担を掛けてしまうなら、NO。
元気だった頃の親父は、もっと家族に迷惑掛けるから、NO。
ごめん、親父。悪いけど、そっちで元気にやってよね!
そのうち行くから!
もし、かりに、次の世があるなら、また親父の息子に生まれたい。
ありがとう。
おかしな話だけど、元気で!そっちから皆の事見守っててよね!
(o^-‘)b
イェイ!
SECRET: 0
PASS:
もうひと月経ったのですね。
病床でお孫さんの笑顔を見られたことや、息子が綾小路きみまろを聴かせてくれたこと・・・
この上ない親孝行をされたのですね。
お父様、幸せだったでしょうね (^-^)
SECRET: 0
PASS:
>小林昭人さん
親父のためだったのか、自己満足だったのか、でも後悔はしてません。
幸せだったら良いなぁ~。
ただただ願うばかりです。
SECRET: 0
PASS:
なんだか、気持ちがまたじーんとし、またちょっと涙が出てしまいました…。
家族の心のつながりというか深さというものを感じました。
私の大好きなおじいちゃんが亡くなって来月13回忌です。
何か困るとなんでもおじいちゃんにすがっちゃう私。
いけないと思うけどついやってしまう。
来月の13回忌の時には、ありがとうって思いながら、手をあわせたいと思います。
SECRET: 0
PASS:
>潤子さん
お爺ちゃんは、困った潤子さんが大好きだったんじゃないかなぁ。
頼られて幸せだったと思う。
お爺ちゃん孝行ですよ、ちゃんと。